

有機EL照明パネルは、ガラス基板上に形成された有機EL素子層に、伝熱・放熱機能を備えた封止構造、更にはガラス基板からの光の取出し効率を向上させる光学フィルムなどを組合せ構成されています。
有機EL素子層はITOなどの透明電極の上に、有機層として正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子注入・輸送層などを順次積層し構成されます。その上にアルミニウムなどの金属を積層し陰極とします。この陽極と陰極に電圧を印可することで、それぞれの電極から正孔と電子が各有機の注入、輸送層に運ばれ、発光層内で結合します(電荷再結合)。その結合の際に発生するエネルギーにより発光層内の分子が励起され、励起状態から基底状態に戻る際にこのエネルギーを光として放出するため発光します。


有機EL照明は従来にないフラットな形状という特長に加え、省電力においても期待されています。白熱灯や蛍光灯の発光効率は、既に発光原理による限界に到達していてそれぞれ10%、20%という値に留まります。これに対し有機EL照明は理論上70%以上が可能とされています。
それに加え、その発光スペクトルは幅広く、自然光により近い特性を持っています。蛍光灯のような鋭い線状のスペクトルとは異なり、より自然なものの見え方をし、自然な色合いも再現しやすい光源です。更には紫外線を含まないため、目に優しく、衣類や印刷物が褪色せず、また虫が寄りつかないなどのメリットがあります。
また、水銀などの有害物を含まないため環境汚染の心配もありません。

照明用の光源は大きく指向性光源と拡散光源に分かれます。指向性光源の代表は白熱灯に反射鏡をつけたスポットライトなどがあり、近年ではLEDがその代表格と言えます。限られた領域を直接照らす用途に用いられ、影ができることが特徴です。拡散光源の代表は蛍光灯に乳白色のカバーをかけたシーリングライトのような全体照明に用いられるものがあり、ある程度広い範囲で均一な明るさを得るのに適しています。この他、白熱灯にシェードを付けたスタンドやブラケットなどの拡散光源もあります。有機ELは面発光体であるため光源自体が拡散光源であり、半透明の拡散板などの余分な構造体を用いることなく拡散光源を実現することができます。
この指向性光源と拡散光源は照明として両者共に必要な光源で、今後もそれぞれの特長を活かしたシーンで使われていきます。将来的には指向性光源はLEDに、拡散光源は有機ELに置き換わっていくものと期待されています 。
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